ウェブサイトをリニューアルしました。


ウェブサイトのリニューアルに伴い、当ブログの更新を終了いたします。

写真家 津田直 ウェブサイト http://tsudanao.com/

引き続き、何卒よろしくお願いいたします。
2014.07.26 Saturday │ Report
怒濤の日々
ブログをご無沙汰していました。
アシスタントの東です。
気がつけば前回の津田が書いた北欧帰国後のブログから随分と時間が
空いてしまいました…!

トークイベントなどを行うと来て下さったお客さんが、
「ブログ読んでます!」と暖かい言葉をかけて下さるのでとても嬉しく思いつつ、
最近全然更新できていないので申し訳ない気持ちでした。

明日から1月に引き続き、再び海外取材です!
帰国後もすぐに国内にて南方への旅が続くので、怒濤の移動サイクルが
始まりますが、その前に久しぶりに近況をお知らせしたいと思います!笑

少しさかのぼって昨年9月のことになりますが、
六本木のAXISギャラリーにて銀塩写真を撮り続けている
写真家達の展覧会『ゼラチンシルバーセッション』が行われました。
会期中には幅允孝さんの司会進行の元、写真家の広川泰士さん、
八木清さん、石塚元太良さん、津田のトークイベントがあり、
たくさんのお客さんが来て下さったようで、ありがとうございました!!
津田も友人の元太良さんと久しぶりに会えたようで嬉しそうでした。
その前日には恵比寿RIQUID ROOM内のスペースKATAにて
TRANSIT編集長・加藤直徳さんと『TRANSIT』チベット号
トークイベントが行われました。
この頃は、度々旅の収穫を「TRANSIT」特集ページで書かせてもらっています!
また、先月には津田が九州初のトークイベントを熊本鶴屋にある
cafe&books bibliotequeにて『TRANSIT』北欧号 トークイベントを行いました。
満員御礼!!
当日は参加して下さったお客様が九州各地、
遠くは広島から駆けつけて下さったりと皆さんに暖かく迎えられ、
フィンランド・ノルウェーに渡る北極圏の大地に暮らすサーメ人に
ついて旅の裏話を繰り広げました。


鹿児島〜大阪〜遠野〜沖永良部島〜東京〜宮崎〜沖縄〜離島〜
ミャンマー〜熊本〜遠野〜東京〜大阪・・・
今冬に移動しているところを書き連ねただけでも目が回りそうですが、
九州へ引っ越したせいか南方へフィールドワークに出掛けることが
多くなったように思います。
このあたりのことは、最近FUJI FILM発行の冊子「FILM&IMAGE」
連載をしていますので、そちらでも読んで頂けます。
沖縄や宮崎にて古来より続く信仰の形に対面したり、東北の岩手県遠野では
かつて馬と人がともに生活をしていた時代を見つめ直したり、
と滞在先ではその場所の時間に合わせて地元の人達の話を聞いたりしながら、
とても大事なことを日々学んでいる気がします。
南方への旅はまだまだ今後も新展開がありそうです。


最後に津田が最近観た展覧会、映画、ダンスなどの中から印象深かった
と言っていたものを記しておきます。

〈映画〉
・スケッチ・オブ・ミャーク
*宮古島のお婆達が神歌を歌う姿、お婆の生き方に心打たれる映画です。
ロングランで各地でこの春も上映されるようなので是非!!
http://sketchesofmyahk.com/index.html

〈ダンス〉
・TROPE 家具と身体の問答
会場:MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w
http://monochromecircus.com/trope2

〈展覧会〉
・内藤礼「地上はどんなところだったか」 会場:奥共同売店
*沖縄本島北部へ行っていたときに入った奥集落の売店で出会った
内藤さんの作品1点の展示。

・有田泰而「First Born」 会場:Gallery916
*写真集が赤々舎から出版されています。
http://www.gallery916.com

・第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館帰国展「ここに建築は、可能か」
会場:TOTOギャラリー・間
*TOTOギャラリーは最近良く行っているギャラリーの一つです。
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex130118/index.htm

・RYO SUZUKI「LISTENING TO ARCHITECTURE」 会場:Raum1F
*津田とユニットを組んでいる、パリ在住の写真家・鈴木良さんの日本での展覧会。
展覧会は終了しましたが写真集が書店にて販売中です。
http://www.plancton.co.jp

・今井智己「Semicircle Law」
会場:タカ・イシイギャラリーフォトグラフィー/フィルム(東京・六本木)
*小サイズのオリジナルプリントでしたが、見入ってしまいました。
写真集も合わせて出版されていました。
http://www.takaishiigallery.com/en/archives/8110

・草間彌生「新作絵画 II」 場所:OTA FINE ARTS
http://www.otafinearts.com/ja/exhibitions/2012/post_89

・ペドロ コスタ&ルイ シャフェス「MU[無]」 会場:原美術館
http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html
2013.02.18 Monday │ Report
そろそろ家がどこだか分からなくなった夏
北欧から戻って一ヶ月半。
ブログもまともに書ける間もなく…だからはじめに旅の写真を挟んでおきます。
白夜の国から旅路のスナップをお楽しみ下さい。合間に仕事机などのカットも
入っているけれど、それも日々の記録からということでご容赦を。





















自分でスケジュールを組んでおきながら、7月の終わりは一週間で
コペンハーゲン、パリ、東京、京都なんていう週があって、さすがにハードワークだった。
けれど動き続けている限り、身体は進化しつつある気がする。
留まった時が油断できないけれど、走りながら場を探して小休憩できればまずはそれでよし。

帰国後は成田から直接京都へ向かったのだけど、
ラジオ出演にも個展会場にも無事に間に合った。
タカ・イシイギャラリー京都にて個展「REBORN」を見に来て下さった皆様、
本当にありがとうございました。
最終日はラジオを聴いてくれていた方々が集まって下さり、
いつものギャラリーの雰囲気とひと味違って、とても新鮮でした。
来られた方々が互いに出会ったばかりにも関わらず、
和やかに話されている姿を見て、ブータンの人々の暮らしと重ねて見ていました。

留守明けはたいてい仕事が立て込んでいる訳で、しばらく原稿書きに追われていた。
「PAPER SKY」と「TRANSIT」、「芸術新潮」はすでに発売しているので、
最近のフィールドワークや旅の様子を見て頂けると思う。
北欧の旅については今冬あたり幾つかの媒体でまとめて書きます。

京都の個展終了後、3日後にオープンした六本木での二人展
(書家・華雪×写真家・津田直)は今までの制作スタイルと
異なる試みで挑んだ作品だった。
そもそも華雪さんは「字を書くこと」を仕事にしている作家なので、
字が一人歩きしてしまう前に撮影をしようと思い、
字が書かれ「まだ濡れているとき」に撮影したものを作品化。
水が含まれたものには美が宿るというのが僕の美学の原点です。

会期中には華雪さんとトークイベントを二本行いましたが、
ワークショップ形式で皆さんと「日」の字(作品の主題としても用いた)
を書いた時は、個々の字がこんなにも違うものかと、なかなか面白い経験となりました。
まるで人の顔と同じくらい似ていても、それぞれが個性的だった。
僕らの世代はすでに「手書き」からかなり遠く離れた暮らしを送っているけれど、
「字を書くこと」で人はまだまだ素顔のままで生きることができるし、
等身大の自分に近づくことが叶う。




8月に入ってからも相変わらずの移動続きで、一週間として同じ場所に
留まっていたことがないままの日々を送っているけれど、日本に帰ってくると
主食が和食となりバランスが取りやすくなった。
身体が求めていた栄養素が戻ってきた感じ。
アシスタントのさおりちゃんは久し振りにたらふく食べられる白米に笑顔が隠せない様子。
そんな僕らは無理矢理にでも時間を作って、春から夏にかけてずっと頭の中で
鳴り響いていた音楽を生で聴きに行く。旅は締めがそれなりに大事なのだ。
七尾旅人、ユザーンは最高のミュージシャン。
展覧会ではスタジオ・ムンバイ展が記憶に残った。


最近は拠点が福岡と東京の二カ所になりつつある。
都内では8月20日から品川にあるCANON GALLERY Sにて
個展「Storm Last Night / Earth Rain House」を開催しているが、
いよいよ会期が残すところ二日となった。まだ見ていないという方は、
週明け月曜、火曜が最後となるので、是非ご高覧下さい。
一ヶ月に及ぶ会期中、9月8日には比較文学者で詩人の管啓次郎さんと
対談を交えたトークイベントを行った。
定員150名のところ当日は200名もの方々が来て下さって驚いた。
会場は満員となり一時間半のトークはあっという間だったが、
久し振りに管さんと楽しい話が出来て良かった。
終わった頃にはお互いにどうやら新たなスイッチが入ってしまったようで、
今後プロジェクトを一緒にやりますか?!と会話が弾んだ。
この続きはあらためて時期を見て、報告してゆきます。
尚、トーク当日のことは下記blogから少し読めます。

◎ 芸術新潮編集部ブログ
http://geishin.weblogs.jp/blog/2012/09/津田直さん-歩く力の秘密.html

◎ 管啓次郎ブログ
http://monpaysnatal.blogspot.jp/



最後に今後の活動のお知らせでNewsにあげられていないことなどを書いておきます。
次号「考える人」(新潮社刊)で管啓次郎さんが書かれているエッセーで
僕のことを書いてくれているそうです。発売日は10月4日だったと思います。
翌週には「TRANSIT」の企画で12日にトークイベント、
翌日13日には銀塩写真を残してゆこう!と写真家たちで声を上げている
ゼラチンシルバーセッション(六本木AXIS Galleryにて10月1日からはじまるグループ展)
関連でトークセッションに参加します。
詳細が決まり次第随時Newsにも載せてゆきます。
お楽しみに!

↑先週プロジェクトの為、栃木県と福島県を訪ねた。

森から展開してゆくこちらの活動は今秋お知らせできると思います。
2012.09.22 Saturday │ Report
日印グローバル・パートナーシップ・サミット2011レポート!
津田さんが海外に行って留守中に、ザ・プリンスパークタワー東京にて
開催された「日印グローバル・パートナーシップ・サミット2011」に参加してきました。



開会式には、日本の元首相陣の森さん、鳩山さん、安倍さん、管さん、
インド側からも今回のサミットの発起人ヴィバウ・カント・ウパデアーエ氏や
共同議長のサム・ピトローダ氏などが続いてスピーチされ滅多に見られない
顔ぶれが揃った開会式でした。
会場ではお互いの国の文化を写真を通して知るために日本、インドから
約25名の写真家の作品が展示され、津田さんも「漕」を展示しました。



今回のサミットは両国間の今後のビジネスの取り組みについてが
主題だったので3日間に渡って農業、医薬品、エネルギーと環境、
ITなどのビジネスについて毎日セッションが沢山行われていました。
残念ながらサミットのプログラムの中では文化面、宗教面などは
あまりふれられていませんでしたが搬入、搬出などでインド人と
やり取りを交わし、3日間会場にいるだけで見慣れたということもあるのか、
今まで文化が違いすぎてあまり接触がなく遠いと感じていたインド人を
身近に感じると同時に人間としての安心感、温かさや彼らから
溢れ出ている生命力を強く感じました!
日本にいながらまるでインドを旅しているような錯覚も起きました。笑
またビジネスの場でも、日本人同様のスーツ姿に頭にターバンを
巻いているインド人男性、サリー姿のインド人女性からは
インド人の民族や家族としての結束力を感じました。

開会式、閉会式の挨拶の時にひと際目立っていた人がいてどんな人
なんだろう、と気になっていたのですが、彼はISHA財団のヨギ(指導者)
であるサドゥグルという人で、挨拶の時に歌を歌っていたのですが、
その歌声はとても慈悲深く、会場で聴いている人の心を1つに
掴んでいるようでとても強く印象に残りました。

閉会式の最後には、今回のサミットを主催したヴィバウ・カント・
ウパデアーエ氏の若い頃の日本語の先生である恩師が壇上に上がり
スピーチされたのですが、とても緊張しながらのスピーチの後に、
その先生から「彼は若い頃私の家まで11時間かけて週3回日本語を
習いに来ていたのよ」という話を聞き、主催者の日本とインドの
関係をつなごう、という情熱と長年の努力に心打たれました。
このような大きな国際的なサミットですら、一民間人が抱いた夢が
形になったものだ、ということを知り、ヨギのサドゥグルが
言っていたようにunorganizedなインドと秩序のある日本は
全く反対のような国だけれど、お互いが上手く協力し合い、
サポートし合えるような良い関係が今後築いていけると良いな
と思いました。
2011.09.10 Saturday │ Report
東西南北へ
神戸ー大阪ー秋田ー岩手ー京都ー滋賀へと移動が続いた。
各地にてトークイベントや講演会にご参加下さいました皆様、ありがとうございました。

一旦、横浜へ戻ったのですが本日より再び旅に出ます。
やや長旅となるので帰国次第、近況の報告などをいたします。
皆様も夏バテなどしませんように。

















2011.07.02 Saturday │ Report
追加報告
先日のチャリティー写真販売の収支報告が届きましたので
ご報告させていただきます。
今回のチャリティーでは売上げ合計5340,443円が寄付金として
送られることになりました。
その他、会期中に販売されたTOUCH WOODフレームの
売上金の一部はmore treesのLIFE311プロジェクトを通じて
被災地の仮設住宅建設に役立てられる予定です。
2011.05.23 Monday │ Report
チャリティー・写真販売、大盛況にて終了!
先週末Axisギャラリーにて行われたチャリティー・写真販売に
ご来場いただきました皆様、ありがとうございました!
私達は会場へ行けなかったのですが、当日の開場前から
多くのお客様が並ばれていたようで、大盛況だったようです。
作品点数も計234点中、197点販売することができたようです。
収益金の全額はあしなが育英会を通じて、被災地の子供達に届けられる予定です。
詳しい集計が整い次第、改めてご報告申し上げます。
2011.05.17 Tuesday │ Report
被災地を見舞う

昨日、東北から横浜へ帰ってきた。
未曾有の大震災に遭遇した方々を見舞うため、連絡の取れていない友人達を捜すため、救援物資を運ぶため…被災地を訪れたのだった。
今日は報告とまでいかないが、わずかでも情報が役に立つなら、レポートをここに残そうと思う。

3月31日(木)
大阪にて午前中に仕事を済ませ、前日までに友人達の協力のもと調達していた救援物資の荷造り。13時過ぎ、京都から新幹線で新横浜へ。自宅へ戻り、さらに物資を詰め込み、荷造り。地図、防寒着、自分達の食材、物資などをまとめ4時間後にアシスタントと共に横浜を出発。手持ちで限界と思われるほどの荷物となった。おそらく75キロ超えぐらいだろう。いつもの海外取材時の重量をややオーバーするくらいの物量。内容を参考までに記しておこう。
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衣類(大人男女用の下着、靴下、長袖シャツ、パーカーに加え乳児用衣類など)、食料(生野菜、水、野菜ジュース、飴、ドライフルーツ、ウィダーインゼリー、チョコレート、カップ麺、お菓子など)、日用品(乳児用玩具、ウェットティッシュ、生理用品、塗り薬、ハンドクリーム、リップクリーム、歯ブラシ、サランラップ、各種ビタミン剤、乾電池、折り紙、色鉛筆、カラーペン、クレヨン、スケッチブック、育児本など)
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東京駅23時10分発の夜行バスで盛岡を目指す。

4月1日(金)
7時、盛岡へ到着。朝食を済ませ、岩手日報など新聞に目を通し現地の最新情報を入手。震災直後に出産をした友人が盛岡市内にて仮住まい中なので訪ねる。無事に再会。先日まで名も無き子が、今は名前をもらい母の腕に眠っている。愛おしい母子の姿に返って励まされている自分に気付く。誰もが運命と共に生かされていることをあらためて実感する。山田町に実家を持つ友人は現在両親と赤ちゃんの4人で仮住まい。まずは電気・ガス・水道が確保されていることに一安心。春が近づいているとはいえ、雨ざらしに耐えられるほど東北の寒さはまだ甘くない。すでに家は津波の後に火事に遭い焼けたと聞くが、友人は「家族が欠けていないだけで十分だよ。」と僕に言った。今度は東京で会おうと約束して、子育てに必要な育児本や物資などを渡し、別れる。
まずは移動用に車を調達。事前に出来る限りの手は打っていたが、ガソリンだけが心配だった。しかし、幸い昨日深夜から盛岡ではガソリンの供給が良いとの情報。何とか満タンで盛岡を後にする。途中、駅近くにあるスーパーマーケット、マックスバリューにて食材を追加入手。葛巻町を13時過ぎに通過。辺りには集落も見えているが、目立って倒壊している家屋はまだ目につかない。気が付いたのは古い納屋などが幾つか倒れている様子のみ。気温は7℃。久慈渓流を横切り、岩手県北部・陸中海岸に位置する野田村へ14時10分過ぎに到着。震災以来、直接連絡の取れていない宿屋の夫婦を捜す。事前の情報では中沢公民館に避難中とあったが、役場にて確認をしたところ、同姓同名と判明。だがその直後、宿屋共々無事との情報を入手。早速向かうことに。途中、津波の影響で家屋が流された場所を通る。車を降り、歩き回る。語ることの出来ない状景に言葉を失う。村役場の正面玄関左手では、瓦礫の中から拾われた家族アルバム、卒業証書、婚礼写真、各種スナップ写真などを水で洗い、干し、仕分け作業に没頭している青年と出会う。彼も家はすでに津波に流され失った一人。写真を集め、洗浄し、持ち主へ返す作業は震災から一週間後から始めたと言う。心痛ましい光景の隣にある、心温まる光景に明日への希望を想う。16時、宿屋の夫婦と再会。ずっと胸にひっかかっていた石が取れたような気持ち。こんな形でここへ来ることになるとは、露程も思ったことはないが彼らが生きていることだけで救われた。お茶を片手に過ぎた時間について話を聞く。地震の直後に船を沖へ出すため海に入っていた勇敢な漁師達の話や村の中心にある大鳥居に家の屋根がひっかかって、多くの方が助かったという話…どの言葉、誰の話にも命を懸けた物語があり、息を呑むように聞き入った。余震が二度続く。ラジオから震源地が告げられる。こういうことにも人は日々慣れてゆく。神戸の震災後のことを思い出す。陽が暮れたので、今夜は野田村に泊まることにした。窓の外には雪がまだ残っている。

4月2日(土)
6時半起床。7時に朝食。宿を発ち再び村役場を訪ね、昨日出会った青年と話す。野田村を出発し、普代村、田野畑村を通過して11時半には田老に到着。ここの状況は話に聞いてはいたが、惨いものだった。ほとんど原形を留めたものは無いに等しい。村そのものが消えたかのようだ。更に悪臭が鼻をつく。とにかく歩き、見て回った。13時過ぎ、宮古へ到着。道路脇の線路も捲れ上がり、中心部でも信号機も動いていない。警官による誘導で進む。野田村でもそうだったが、道路ですれ違うのは瓦礫撤去用車両、自衛隊、救援物資車両がほとんど、そこにわずか乗用車が行き交う。15時山田町へ到着。かなりの幅で津波が押し寄せたのが見て取れる。加えて火事の後が目立つ。しかも集中的に土が黒く色付いているので、やはり家屋の灯油タンクに引火して数珠つなぎに火事が広がったのだろう。山田町の被害の全体像がまだつかめずにいるが、自衛隊がとにかく瓦礫の撤去にも迅速な対応をとっていて国道45号線はもちろんだが被害のわりに内道まで通れるようにしてくれている。お陰で町役場まで何とか車で物資が運べた。役場へ着いた時刻は16時を少し回った頃だったと思うが、ちょうど避難している住民へ物資を配給する時間帯だった。列は町役場を二巻きしても途絶えることないほど連なった。寒さを耐え凌ぐ顔がそれぞれの思いを複雑に伝えていた。持参した物資はほとんど手渡すことが出来た。16時15分過ぎに出発。山田町から釜石市へ。道は渋滞していたが、17時50分には釜石市を通過。続いて大船渡市を通る。この辺りも報道では見ていなかったが、被害は大きい。今回、現地入りしたことで明らかとなったことは多々とあるが、全体的にテレビなどで見る印象に比べると現地移動で見えてくるのは、壊滅的な被害を受けた場所のすぐ横隣では、被害の少ない家屋も同時に目立つということ。つまり、津波がどこまで押し寄せたかということは、残されたものの形状から大方予測出来る光景が続く。18時50分過ぎ、陸前高田市に到着。すでに陽が傾き、町の姿を眺めるのが難しい時刻となる。足元の泥が先程までに比べより目立つ。19時、雪が降りはじめる。住田町、遠野市、花巻市を通り、盛岡まで戻り就寝。

4月3日(日)
朝、調べごとなどを済ませ9時半に盛岡を出発。宮城県多賀城市の知人に米を届けに行くため、食材入手。車を一旦返却し、取り敢えず荷物と共に米10キロを抱え、バスで仙台へ移動。13時過ぎ到着。再び車を調達し、仙台周辺の情報を入手。こちらは盛岡に比べ、ガソリンも足りておらず、仙台駅周辺でもまだガスが復旧していない地区もあり、お湯は望めない。別ルートで塩竃入りをしている写真家の平間至氏(故郷となる塩竃を支援しに来られている)と電話連絡。平間氏は昼に合わせ、津波により壊滅的な被害を受けた七ヶ浜にて炊き出しを行ったらしい。その後場所を塩竃へ移していたので、ガス体育館にて合流。互いに情報を交換。炊き出しが一段落したところで、共に仙台港へ。工場地帯では倉庫など大型の建物も信じがたいほど、押し潰され、線路は絡まり、車は空から降ってきたような状態で松原にひっかかっていた。18時、平間氏と別れ知人宅の番地を頼りに多賀城市へ米を届けにゆく。ヘッドライトのお陰で家が見つかる。一歩一歩だが着実に届く喜び。23時、就寝。というか気が付いたら眠っていた。

4月4日(月)
朝、調べごとを済ませる。11時半、塩竃の先、七ヶ浜へ。長須賀、海浜公園、諏訪神社方面を望む海沿いの家屋はすでに流され、一部まだ水が引いていない。行方不明者の捜索も続いている様子。砂浜へと出ると、海岸にはコンテナが転がり、松原はなぎ倒されている。住宅地のあった汐見台は被害が大きい。12時45分、塩竃へ移動。市内は信号がところどころ消えている。塩竃神社周辺の商店街も被害が目立つ。だが瓦礫の中で電話線復旧の作業が続く。今日も雪が散らついている。松島町、東松島市を通過。ここでは内陸部まで津波の影響がありそうだ。波が河川を登ったのだろうか。またこの辺りはコンビニもほぼ閉まっている。助かっている地域でも物資が届いていないからだろうか。石巻市入ってから渋滞が続いたので、ルートを変更し河北ICから高速を経て398号線で南三陸町へ向かった。16時に南三陸町へ到着。広範囲に渡り津波にのみ込まれた様子。しばらく歩いたが、海岸線では堤防は打ち砕かれ、アスファルトは捲れ、見渡す限り残った建物はほぼ無い。海に近い志津川病院近辺も歩き確認したが、水位は4階にまで達していた跡形が残る。本格的な撤去作業も難航しているため、自衛隊や警察とひっきりなしにすれ違う。何とか道路は確保しつつあるが、復興の目処は遠い。新聞では集団避難の記事が上がっていた。住民の胸中の波は一体いつになったら引くのだろうか。日没近くまで南三陸町を歩く。帰路、車のラジオから宮沢賢治の「雨二モマケズ」の朗読が流れていた。

その後、仙台を経由し夜行バスで再び東北自動車道より都内へ戻った。
延べ4日間、現地にて走行した距離は763キロ。
三陸海岸線を中心とした移動であったが、本来は北部に豊かな隆起海岸、宮古市以南にはリアス式海岸から、美しい半島へと続く国立公園である。

そこに暮らす人々は大震災・津波という自然災害に遇い、痛ましい現実と向き合うこととなった訳だが、今まさに必死で生きている彼ら一人一人へ向けて、長期的な眼差しを持って、これからも出来る限りでの支援を一個人として続けてゆきたいと思う。

追伸:被災地からの報告は写真で伝えることも出来ると考えましたが、あくまでも主たる目的が被災地にて連絡の取れていなかった知人および被災者への支援によるものだったため、現地点において写真を交えた報告は相応しくないと判断しました。今後、然るべき機会や場所の訪れがございましたら、写真を交え、あらためて報告の機会を探りたいと思います。
2011.04.06 Wednesday │ Report
東北便り
ご報告が遅くなりましたが、
先月4月29日に無事、秋田にて今回の「SMOKE LINE」と「近づく」
のスライド&トークイベントツアーが終了しました。
秋田でのトークイベントの会場はトワル.ruiさんという
ウェディングドレスを作っていらっしゃるルイさんの素敵な
アトリエにてなごやかに行われました。
午後2時からは、津田さんが「SMOKE LINE」と「近づく」の
スライド&トークイベントを行い、
午後7時からは、津田さんと片桐さんとで主水書房から出版している
「漕」と「見送り」(華道家・主水書房主宰、片桐功敦著)の
スライド&トークイベントが行われました。
秋田のお客様は早めに会場に集まって来られ、
project room sasaoにて室礼『浮光』の展示を見たり、
2階の石田珈琲店(コーヒー、カレーライスなど美味しいです!)
でゆっくりしたり、スタッフや友達と話したりされていました。
トーク中もメモを取られる方もおられ皆さん熱心に聞いていらっしゃいました。
足をお運び頂きました秋田、東北の皆さま、また関西、東京方面から
かけつけて頂きました皆さま、どうもありがとうございました!!

「漕」と「見送り」のトークの最後にはトーク前日の夜、
秋田の千秋公園にて津田さんが撮影した夜桜と満月の
スライドショーを流しました。秋田での一夜限りの美しい夜でした。
また滞在中にサプライズで津田さんの誕生日のお祝いもして頂きました!

今回イベントをさせて頂いたビルの中には、1階にココラボラトリー、2階に石田珈琲店、
3階に書籍販売まど枠、project room sasao、トワル.ruiが入っています。
滞在中の別の日にはココラボラトリーにてライブが行われていてゴールデンウィーク中、
各地から集まってきたお客様でとってもにぎわっていたようです!
もし今後秋田に訪れる機会があれば是非行ってみて下さい。

海外から帰国後、大阪→神戸→秋田→青森と動き回っていましたが、
一旦これで今回のトーク&スライドショーのツアーが終了しました。
今回のイベントでは本が沢山売れ、津田さんもめいっぱいやってよかった!
という気持ちだと思います。
お世話になった書店・ギャラリー店主の皆さま、スタッフの皆さま、
お越し頂いたお客さまどうもありがとうございました!

書籍販売まど枠










2010.05.08 Saturday │ Report
芸術選奨贈呈式
昨日、夕方から霞ヶ関の文部科学省庁舎にて芸術選奨文部科学大臣賞・新人賞
の贈呈式と祝賀会がありました。

それぞれの分野で賞を受賞した合計30名、付添人、文化庁役員、選考委員、
報道陣など沢山の人が会場に集まり、明るい会場でめでたく贈呈式が行われました。
各分野で素晴らしい活動をされている方々が集まっているのですが、
皆さんすばらしく忙しそうでソウルやモスクワ、ミラノなどからトンボ帰りで
駆けつけて来られていました。
普段なかなかお会いすることのない日本舞踏家や尺八奏者の方もおられ、
皆さんの地道にずっとその道で活動されている立派な姿を間近で見ることが出来ました。
今度は是非演奏される音などに触れてみたいです。

新人賞受賞者を代表して挨拶された川上未映子さんはちょうど
津田さんと共通の友人がいたようで2人は盛り上がって話していました。
忙しい合間をぬって駆けつけて挨拶をされた文部科学大臣の川端達夫さんは
滋賀県出身の方で、津田さんは大臣と「漕」制作時のローカルな話をしていました。

取材があった中学生や高校生へのメッセージは、Youtubeで近々ご覧頂けると思います。
芸術選奨贈呈式



2010.03.20 Saturday │ Report
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